市役所や区役所の職員になると、選挙の日は動員がかかります。
投票所での業務が担当になった場合、具体的にはどんな仕事をすることになるのかについてまとめています。
若手の職員が担当することになる主な業務は、次の4つです。
- 会場内の案内係
- 名簿と称号を行う受付係
- 投票用紙の交付係
- 投票箱の監視係
実体験をもとにまとめています。
当日落ち着いて対応できるように、事前知識として役立てていただければと思います。
担当する係が決まっている方は、目次から飛んでください!
また、自治体によって違う点もあると思うので、マニュアルが配布されている場合はそちらも確認してください🍄
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- 案内係【実はなんでも係】
- 名簿と称号する係【受付係】
- 投票用紙の交付係【投票用紙を渡すだけ】
- 投票箱の監視係【見てるだけ】
- 投票所での事件には注意してください
- 前日から当日の流れ
- まとめ【1番楽なのは?】
案内係【実はなんでも係】
投票所の案内係や誘導係は、実際はなんでも係を兼ねていることが多いです。
他の係とは違って、基本的には決まった席での仕事ではなく、立って案内を行います。
たとえば「投票用紙を交付する係」の場合は、席を外すときは必ず誰か代わりが必要になります。
案内係は一時的にいなくても特に困ることがないので、管理者(投票所の責任者の人)によっては、受付係の人があれこれ頼まれることもあるかもしれません🍄
地域の方を受付へ案内する
メインの仕事は、投票所に訪れた地域の方々を受付に案内することです。
受付は、住所で分かれていることが多いです。
掲示などはしているとは思いますが、
- どの受付に並べば良いか
- 靴を脱ぐかどうか
なども、案内係が口頭で助言したりします🍄
また、投票所が込み合ってくると受付も込み合います。
列を整備したり、たとえば高齢者の方が間違った受付に並ばないように、会場全体に目を配ります。
他の係へのお茶出し
これは、投票所の責任者の人次第ではあります。
私が動員されていた投票所は、責任者の人が親切な方であることが多かったです。
投票所は、クーラーもなく風通しも悪い場所が多かったので、夏は暑くて冬は寒いという辛い環境でした。
特に投票用紙の交付係の人は、ずっと座って用紙を渡し続けないといけません。
それも、12時間以上です。
1度やってみると分かりますが、想像以上に辛いです。笑
そのため、管理者の方がお金を出して、温かいお茶を買ってくれたりしました。
それを配ったりできるのが、融通が利く案内係の人しかいないんです🍄
ポットでいれるタイプのコーヒーとかも、案内係の方が配ったり、回収したりしてくれていました。
自分が案内係になったときはちょっと面倒だと思いましたが、12時間って相当長いです。
定期的にあまり人が来ない時間帯を耐え忍ばないといけないこともあるので、暇な時間にやることがあるほうが良い点もあるかと思います。
他の係の交代要員
案内係になると、受付係や投票用紙の交付係の人と、一時的に交代を頼まれる機会が多かったです。
責任者の方にもよりますが、お昼休憩やトイレ休憩以外にも、数時間おきに20分ずつとか休憩時間がありました。
そうじゃないと、特にクーラーがない環境下では多分倒れます。笑
案内係は一時的にいなくても困らないので、必然的に交代要員になることが多いと思います。
ナンバリング作業を頼まれるかも
案内係が2人いたときは、うち1人はナンバリングの作業を頼まれることもありました。
ナンバリングというのは、回収した投票券に1から順番に番号を判子で押していくだけの作業です。
投票券に番号をふって、数を把握するための作業です。
手はかなり疲れるけど、番号を押していくだけなので作業としてはとても簡単です🍄
最終的に、
- 渡した投票用紙の数
- 回収した投票券の数
が一致していないと大変なことになります。
そのため、リアルタイムでナンバリングを行い、責任者の方が定期的に数を確認する必要があるんです🍄
トラブルがあれば責任者へ連絡
案内係は、常に投票所を広く見渡すことができる係です。
選挙というのは大事な行事(?)なので、トラブルがあれば基本的には責任者の方が対応します。
責任者の方も、万が一何かあれば自分の責任になるので『何かあればすぐに呼んでほしい』というタイプの方が多かったです。
私のいた自治体では、むしろ呼べば喜んで飛んでくるタイプ人が多かったですね。笑
たとえば
- 高齢者の方で、介添えが必要な人
- 代筆が必要な人
- 車いすの人
が来場されたときは、責任者の方にお知らせしたりとか。
投票所で何かトラブルがあれば、自治体の規模に関わらずニュースになることが多いです🍄
基本的には選挙の仕事はあまり出しゃばらす、大事なことは全て責任者の指示に従うほうが良いかと思います。
名簿と称号する係【受付係】
名簿と称号する係の人は、
- 地域の方が持ってきた投票券
- 投票する権利のある人がのっている名簿
を照合して、問題がなければ投票用紙の交付係につなぎます。
投票券と名簿の照らし合わせ
投票券には『名簿のどこに名前が記載されているか』が書かれています。
- 投票券を見て、名簿をめくって、名前を見つける
- そのページに割り印などで照合する
のが基本的な流れです。
割り印って、分かりますかね?🍄
2つの書類をあわせて、1つの判子を押すことです。
選挙は1人1回しか投票ができません。
『投票券をなくした!』と言って2回目の来場をしても、既に割り印が押されている場合は投票できません。
本人確認
このときに、本人確認も簡単に行います。
『家族の投票券を間違って持ってくる人』が、意外なくらい多いので注意してください。
私のときは『〇〇さんですね?』とフルネームで名前を確認しながら名簿をめくっていました。
また、ちょっと失礼かもしれませんが、男女や年齢についても目視で簡単に確認したほうが良いと思います🍄
その理由は、もちろん不正な投票を防ぐ目的もありますが、後でトラブルになるからです。
たとえば、奥さんの投票券で旦那さんが投票してしまった場合。
その場合、後で奥さんが来場されたときに、なぜか名簿に割り印が押してある状態になってしまいます。
このときに『本人以外の投票券で投票を認めた』ことが、大きな問題になる可能性があるので、注意してください。
注意ポイント【名簿に名前がない場合】
何人か、名簿に名前がない人が来場されると思います。
ほとんどの場合は、投票所を間違ってることが多いです。
地域の方が持参する投票券には投票所が記載されているので、まずはそこを確認してください🍄
投票所が合っているのに名前がない場合は、住所変更のタイミングなどが影響している可能性があります。
その場合は、投票所の責任者がいる受付にいくようにご案内してください🍄
投票用紙の交付係【投票用紙を渡すだけ】
交付係は、ひたすら投票用紙を渡すだけです!
- 投票券を確認する
- 口頭で本人確認する
- 投票券に、交付済みのマークを入れる
- 投票用紙を渡す
- 投票が複数ある場合は、投票券を返す
- 最後の投票なら、投票券を回収する
大体こんな流れで行います。
正式な受付は名簿係が行っているので、基本的には渡すだけの係です。
こんな機械を使います
期日前投票あれこれ
— 須坂市選挙管理委員会 (@LHePA53CDT80NwQ) 2021年10月23日
みなさまに投票用紙を交付する機械です。
毎日、選挙の種類をお伝えしながら頑張っています。 pic.twitter.com/ug1EqphUh3
投票用紙の交付は、機械を使って行います。
これは『投票券を間違って2枚渡す』などの人為的なミスを防ぐためです。
機械を使っても稀に2枚合わさって出てくるので、渡すときは枚数に気をつけましょう🍄
男女別に投票用紙を渡す
また、交付した投票用紙の数はリアルタイムで把握する必要があります。
先ほども書きましたが、受付した人数よりも多い枚数を交付していたら、ニュースになります。
そのため、投票用紙の交付機械には男女別のスイッチがついています。
投票券に記載されている性別に合わせて機械のスイッチを押すと、投票用紙が出てきます。
スイッチを押して投票用紙を渡すだけで、男女別で、今何枚交付したのかが分かるようになっています。
男女で出てくる投票券は同じものなので、もし間違ってスイッチを押したら、次の人を逆の性別のボタンを押すなどして、調整すれば大丈夫です🍄
受付の人数と交付された投票用紙の人数は、責任者の方などで定期的に集計作業が行われます。
何の投票か口頭で伝える
選挙は、複数の選挙が同時に行われることが多いです。
- 小選挙区選挙
- 比例区
- 参議院選挙
など、何の選挙の投票用紙なのかを渡すときに口頭で伝えます。
交付係は12時間以上、同じ場所で投票用紙を渡し続けることが多いです。
そのため『比例区になります』などと永遠に頑張って伝え続けましょう。笑
注意ポイント
- 2枚渡さない
- 投票券を回収する場合は、忘れない
ことくらいかなと思います。
私は経験がありませんが、万が一、名簿係の受付にて間違って受付されてしまい、他人の投票券を持ってきた方がいれば、責任者の方を呼びましょう。
この場合は、性別などで判明することが多いと思います。
投票箱の監視係【見てるだけ】
自治体の規模によっては『投票箱を常に見張る担当』が設定されている場合があるみたいです。
投票箱に何かしようと思う人はほぼいないので、この係は本当に座って投票箱を見てるだけです🍄
違う投票箱に入れる人がいる
たまに、投票箱の周囲に人が多いから、違う投票箱に入れようとする方がいらっしゃいます。
例えば衆議院選挙の投票用紙なのに、市長選挙の投票箱に票を入れてしまうと無効票になってしまいます。
違う投票箱に入れようとしている方がいれば、止めてあげてください。
投票を忘れる人がいる
投票が3個ある場合は、2個の選挙だけ投票して、最後の投票を忘れてしまう方がたまにいらっしゃいます。
手続きなしに投票所を出ると、基本的には再入場もできなくなります。
受付の列から外れて途中で帰ろうとする方がいれば、お声がけしてください🍄
若手職員はあまりあたらない
ちなみにこの係は、年配の職員もしくはアルバイトの方があたることが多い印象です。
本当に座っているだけなので、足腰が弱い方とか、重いものが持てない方とかでも大丈夫だからだと思います。
注意ポイント
1番の注意ポイントは、絶対に寝ないことです!笑
たまにうとうとしてるおじさん、見たことあります。笑
これがアルバイトで手伝いに来てくれている方ならまだしも、公務員だった場合はトラブルになるかもしれないのでご注意ください🍄
投票所での事件には注意してください
投票所では、たまにですが事件が勃発してニュースになっています。
来場される一般の方はほとんどがごく普通の方なので大丈夫とは思いますが、公務員に対して風当たりが強い人もいるので、一応注意はしてください🍄
実際のニュース
投票管理者の方が『ご苦労さまです』と声をかけたら、市民の方から殴られた事件が一時期に話題になりましたね。
一般的には『ご苦労さま』は目下の人に使う言葉で、正しくは『お疲れさまです』になるため腹が立ったという話みたいですけど、だから殴るってどういうこと?って感じですよね。
選挙のときは、無難に淡々と業務にあたるのが良いかと思います🍄
私の実体験
ちなみに私は、運良く大きなトラブルに遭遇したことはなかったです🍄
受付にくるなり『早くしてよ!』と謎に怒鳴られたことがあるくらいです。笑
私の友達は、案内係をしているときに選挙制度に関する質問をされて困ったと言っていました。
軽く説明してもいいかもしれませんが、トラブルになると大変なので、ややこしそうな質問には変に回答しないほうが無難だと思います。
何かあればすぐに責任者へ!
とにかく、何かあれば責任者に振ったほうがいいです。
変なことを言って『投票を誘導された!』などと言われても大変です。
言い方が悪いですが、人を見て対応したほうが安心かと思います🍄
前日から当日の流れ
前日から当日の具体的な業務の流れは、こちらの記事にまとめています!
まとめ【1番楽なのは?】
私は、投票用紙の交付係が1番好きでした。笑
案内係はあれこれ面倒だし、受付は間違ったら大変なので気を使うし。
投票用紙の交付係は、適度に仕事もあるしずっと座ったままなので、個人的には1番楽だと思いました。
といっても、選挙の仕事は統括者以外はどの係もそんなに難しくありません。
長丁場なので別の意味でとても大変ですが、やること自体はどれも簡単です。
1度やれば『こんなもんか〜』ってなると思います🍄
参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
他にも色々な記事を書いているので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。
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