公務員|ケースワーカーの仕事内容について!実体験を元に分かりやすく解説🌻【生活保護課】

当ブログでは広告を利用した記事も含まれております

f:id:maitake_1:20211022141513j:plain生活保護課の主な業務内容についてまとめています。

私は自治体職員として数年間、生活保護課に配属されていました。
「ケースワーカー」と呼ばれている業務です。

この記事は、そのときの実体験が元になっています。
これから生活保護課で勤務される方、また新しく生活保護課に配属された方の参考になれば幸いです。

SPONSOREDLINK

 

生活保護費の計算業務:最低生活費とは?

ケースワーカーの1番メインとなる業務は「生活保護費の計算」です。

 

多くの自治体では、毎月の生活保護費を現金にて支給しています。
「1ヶ月分の生活費をまとめて現金で支給する」ということです。

では「1ヶ月分の生活費」とはいくらなのか。
これが「最低生活費」として国で定められている金額になります。

 

最低生活費は、生活保護を受けている人の年齢や居住地によって、細かく定められています。

ちなみに「年齢」によって差があるのは、食費にかかるお金が異なると考えられているからです。
「居住地」によって差があるのは、地域によって物価に差があるからです。

 

また子どもや障がいのある方には、一定の金額が加算されます。

 

もし生活保護を受給している人が「無収入」だった場合は、国が定めている「最低生活費」をそのまま支給することになります。

 

しかし、実際には「無収入の人」はとても少ないです。

・最低生活費には足りないけど、アルバイト収入がある人
・子どもがいて、児童手当を受給している世帯
・障がい年金を受給している世帯
・国民年金を受給している世帯

など、何らかの収入を得ている世帯が多いです。

 

生活保護というのは「最後のセーフティーネット」です。

 

働ける人は、最大限の収入を得られるように努めなければいけません。
生活保護費以外に、年金や手当など、他の制度で支給されるお金は受け取らなければいけません。

 

それでも「足りない金額」だけを、生活保護費で補って生活するという形になります。

 

つまり、生活保護費の金額は、
「最低生活費 - 働いて得たお金 - 他の制度で支給されているお金」になります。

 

ケースワーカーは、この計算を毎月行わなければいけません。
「担当している全世帯分の生活保護費を、毎月計算して支給する」のは大変ですが、とても重要な業務です。

 

おすすめの本

 

稼働収入の認定(お給料の認定)

先ほどお伝えしましたが、生活保護費の金額は
「最低生活費 - 働いて得たお金 - 他の制度で支給されているお金」です。

 

「働いて得たお金」は、稼働収入と呼ばれます。
生活保護を受給している人は、アルバイト収入など毎月の収入額に変動がある人も多いです。
そのため稼働収入を得ている人には、毎月の収入額を申告してもらう必要があります。

 

この「毎月の収入額を申告してもらい、保護費を計算する」という業務は、簡単なようで実は大変です。

 

どの自治体でも、毎月の生活保護費の計算業務には「締め切り」があると思います。
締め切り日までに収入を申告してもらい、支給する生活保護費を決定しなければいけません。

 

しかし、毎月の収入申告が遅れる人が必ずいます。
単純に面倒くさがりな人、忘れっぽい人、もちろん悪質な人もいるでしょう。

 

収入申告が滞ることがないように、きちんと指導や説明を行う必要があります。

 

また「毎月の収入額に合わせて保護費を計算する」ということは、「毎月の保護費に変動が出る」ということです。

 

生活保護費は「足りない分だけ支給する」のが原則です。
ケースワーカーは「お給料+生活保護費=国で定められた最低生活費」になるように支給額を調整します。


そのためお給料が増えた月は、もちろん生活保護費が減ります。
このことについて、苦情を言われることもよくあることです。

 

稼働収入の場合は「基礎控除」といって、一定の金額を収入として認定しないという作業を行います。
分かりやすくいうと「月10万円の収入があっても、月8万円の収入として生活保護費を計算しますね」という感じです。

 

これは、生活保護受給者の勤労意欲を阻害しないために定められているルールです。

 

このルールもあるため「なんで保護費がこの金額なんだろう?」と疑問に思う受給者もいます。
特に、お給料が大幅に増えた月は、生活保護費が大幅に減ります。

 

場合によってはトラブルを避けるために、来月の保護費について事前に説明しておく必要があります。

非稼働収入の認定(年金・手当の認定)

繰り返しになりますが、生活保護費の金額は
「最低生活費 - 働いて得たお金 - 他の制度で支給されているお金」です。

 

働いて得た収入以外は、非稼働収入と呼ばれます。

・国民年金
・障害年金
・児童手当
・児童扶養手当
・仕送り
・各種給付金

など、非稼働収入には色々な種類があります。

 

非稼働収入は稼働収入とは違い、満額を収入として認定します。
例えば最低生活費が15万円、年金収入が月に5万円なら、生活保護費は10万円となります。

 

稼働収入と違って、年金などは毎月金額が変動するものではありません。
そのため非稼働収入については、金額に改定があった場合のみ、保護費の計算を行うということになります。

 

家庭訪問

生活保護課の仕事は、先ほど説明した「保護費の計算業務」と「家庭訪問業務」がメインになります。

 

私のいた自治体では、午前中に「保護費の計算業務」
午後から「家庭訪問業務」を行うことが推奨されていました。

 

担当している世帯ごとに、どれくらいの頻度で訪問するかが決まっています。
例えば、高齢者など就労指導が不要な世帯は年に数回、早期自立に向けて指導が必要な世帯は月に1回などです。

 

ちなみにケースワーカー1人あたりの担当世帯数の目安は、80世帯とされています。
しかし実際には、100世帯を超える世帯数を担当している人もたくさんいます。

 

担当している全世帯を定期的に家庭訪問するというのは、なかなか大変でした。
特に働いている世帯を多く担当している場合は、収入認定などの事務作業も非常に忙しいです。

 

ケースワーカーの業務というと、まず家庭訪問が思い浮かぶ方も多いと思います。
実際は、事務作業と並行して家庭訪問を行う必要があるので、担当する世帯構成や世帯数によっては、とても大変な業務になります。

色々な会議への参加

家庭訪問とは別に、ケースワーカーは色々な会議に同席を求められることがあります。
例えば、生活保護受給者の「施設入所」についてケア会議を行う場合などです。

 

身内の方やケアマネジャーから「施設に入った場合に生活保護がどうなるのか全然分からないから、同席してもらえないか?」と頼まれたりします。
そのような場合には担当CWとして同席して、関係者の方に保護制度について説明することもあります。

 

しかし「なんでケースワーカーの同席がいるの...?」と思うような会議にも、同席を頼まれることがあります。
私の場合は、怒鳴り散らしたりするなどの、ややこしい人の場合は何かにつけて同席を求められて大変だった記憶があります。

 

同席するかしないかは、もちろん自由ですが、
先約があるため断る ⇒上司に苦情の電話 ⇒上司から同席するように指示される
などと言うこともありました。

 

ケースワーカーの業務は「生活保護受給者の自立支援」です。
その会議が1ミリでも保護受給者の自立支援につながる場合、「同席しないのは怠慢だ!」などと言われることもあるので、これも「仕事の1つ」と認識しておく方が無難かなと思います。

窓口対応・電話対応

窓口および電話対応業務では、担当している保護受給者の人から色々な報告や相談を持ち掛けられます。

 

・体調が悪い
・病院の愚痴←
・就職活動の報告
・仕事の愚痴←
・保護費の金額が少ない
・保護費が追加でほしい

などなど。
ちなみに、怒鳴られることは日常茶飯事でした←

 

また、窓口対応と電話対応は、担当している世帯構成にもよりますが想像以上に多いです。
「次々窓口にお客さんが来て、日中は全く事務ができなかった」という日もありました。

 

生活保護申請に関する相談業務

基本的な仕事内容は、生活保護を受給している人に対する支援業務です。
しかし「これから生活保護を受給したい」という人ももちろん窓口を訪れます。

 

電話で「生活保護制度について教えてほしい」と相談を受けることもあります。

 

生活保護制度について正しい知識を身に付けて、本当に生活保護が必要な人に正しく制度を利用してもらうということも、ケースワーカーの仕事の1つです。

 

記録作成

生活保護課の仕事内容について、生活保護費の計算や家庭訪問、窓口業務などを説明してきました。
これらの業務は全て、きちんと記録に残す必要があります。

 

例えば家庭訪問に行った場合は、その家庭の様子や話の内容について訪問記録を作成します。
この記録は、担当が変わった場合もずっと引き継がれることになります。

 

事務作業をして、窓口対応をして、家庭訪問をして、最後は文書として記録にまとめる。
これが一連のケースワーカーの業務になります。

SPONSOREDLINK

 

まとめ

生活保護課の仕事は、とにかく忙しいです。
「今日することないなぁ」という日は、絶対にありません。
「暇なら訪問いけば?」となるだけです。笑

 

ちなみに私の場合は、新卒のときに突然配属されました。
私の勤務していた自治体では、新規職員のうち半数は福祉部門へ配属されていました。

 

「新入社員は窓口業務がある課に配属する」
という方針の自治体は意外と多いみたいです。

 

当然というのも変な話ですが、生活保護課って1番配属されたくない部署でした(笑)
最近まで普通に大学生だったのに、意味不明に怒鳴られるし、親より年上の人に指導しないといけないし、家庭訪問に行ったら家は汚いし、、、←

 

最初のうちは、家に帰ってから毎日泣いていました。笑
少し潔癖ぎみな性格の方は、最初は困惑されるかもしれません。

 

ただ、ケースワーカーとして働くうちに考えが変わった部分もあります。
この記事を読んでいる人の中には、私と同じように突然生活保護課に配属されて、大変な思いをしている人もいるかもしれませんね.....

 

また別の記事で、実際にあった大変なことやどうやって乗り切ったのかなどを振り返っていこうかと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

サポートメッセージを送る