2012年に公開された映画「桐島、部活辞めるってよ」の感想です🍄
小説は未読で、映画だけ見ました!
最初は意味不明でしたけど、映画の意図が分かるととても面白い映画だと思いました。
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あらすじ
舞台は高校です。
高校2年生という、学校生活にも慣れて受験の年でもない、1番楽しい時期の高校生活に焦点が当てられています。
主人公は神木隆之介さんが演じる「映画部」の少年です。
同じクラスには、
・ 彼女ありの「帰宅部」
・ 彼氏ありの「帰宅部」
・ 地味な「文化部」 などなど...
そして、バレー部のエースである「桐島」が部活を辞めた、という話がクラスをざわつかせます。
桐島は、バレー部のエースでもあり、クラスで1番可愛い女の子と付き合っています。
男友達にも人気で、どこの高校にも1人はいそうな「運動もできて友達も多いイケメンなんだろうなぁ」と想像できます。
しかし、桐島が部活を辞めた理由は、誰も知りません。
・桐島は誰?どんな人?
・桐島はなんで部活を辞めたんだろう?
という謎が残った状態で、ストーリーが展開していきます。
また、この映画は、登場人物1人1人の目線で「同じ日」を振り返る形で進んでいきます。
それがとても面白かったです🍄
感想【ネタバレあり】
私はこの映画を見終わったとき、「意味が分からない!」と思いました。笑
なぜかというと、最後まで「桐島」が登場しないからです。笑
映画を見てる間、ずっと「桐島って誰?」と考えながら見ていました。
この映画では、その心理を見越したかのように、登場人物の名前がやたらと出てきた気がします。笑
「この人が桐島?...あ、違う名前で呼ばれてるわ..」
みたいな状態になってました。笑
それでも、映画そのものはとても面白かったんです。
なんというか、あっという間に見終わりました。
話はとても面白かったのに、何が言いたいのかさっぱり分からない!
なにこの映画!!
タイトル間違ってない!?
という気分になりました。笑
しかし、この映画を見た人の感想を読んで初めて意味が分かりました。
めちゃくちゃ目から鱗でした👀笑
この映画は、多くの人が経験している「高校生活」をそのまま描いた映画なんです。
◎ 部活に高校生活を捧げる子
◎ 前の席の男の子に片思いする女の子
◎ とりあえず彼女を作る男の子
◎ 彼氏ができたことを隠す女の子
◎ 気の合わない子と群れる女の子
◎ 陰キャと言われても自分のやりたいことをやる子
などなど.....
「こんな子いたなぁ....」
「そういえば私もこんな感じだったかも...」
と共感できるところが盛りだくさんでした。
だから、とても楽しくあっという間に見終わりました。
この映画は
「桐島って誰?」
「桐島はなんで部活を辞めたの?」
という疑問を1つの軸にして、色々な人の視点から見た「高校生活」を描いています。
それを分かってから見ると、とても面白い映画だと思いました。
そして、素晴らしい作品になっていると思います。
この映画では、神木さんと東出さんはそれぞれ「対照的な高校生活を送っている男の子」を演じています。
でも、その他の登場人物にも多くの方が共感されるだろうなと思いました。
部活しながら恋愛したり、部活一筋だったり、性格が合わない子と無理して仲良くしたり.....多分誰か一人は共感できる登場人物がいると思います🍄
この映画は”意味不明”?
この映画の感想を検索すると「意味不明だった」というレビューも目にします。
私も最初そう思ったので、気持ちは分かります。笑
でもそれは、「桐島って誰?なんで部活辞めたの?」という一種の”ミステリー映画”として見てしまった方の感想だと思います。
この映画はミステリーではなく、リアルな人間模様を描いた映画です。
それを知ってから見ると、印象が全然違うと思います。
ちなみに私は、最後に謎が解けると思って見ていました。笑
人間模様を描いた映画だって、最初から分かって見た方が楽しかったなぁ...
と個人的には思います。
無駄に色々と深読みしながら見てしまったので。笑
ただ、それがこの映画の狙いなんだろうなぁとも思いました。
「1人の生徒が部活を辞めた」
たったそれだけのことで、学年中がざわざわする。
映画の中に出てくる高校生たちは、「桐島はなんで部活辞めたの?」とみんな疑問に思っています。
この映画を見ている私たちも、彼らと同じ気持ちで映画を見ることになります。
そのため、作品にすぐに入り込むことができるかなと思います。
桐島が部活を辞めた理由について
ここからは想像です!
この映画では、「桐島が部活を辞めた理由」は明かされません。
私は、理由を明かさないことに意味があるんだろうなと思いました。
それは「どうでもいい」ということを伝えるためなのかなと🍄
高校生のときって「どうでもいいこと」を気にしたり、「どうでもいいこと」が大きな話になったりしませんでしたか?笑
この映画も桐島くんが部活を辞めたところで、こんなに大騒ぎすることないんですよね。
バレー部の人たちはともかく、帰宅部の男友達とか、桐島くんの彼女にとったら、どうでも良いことというか、そこまでの大事件ではないですよね。
友達や彼氏が部活を辞めたら、気にはなるけど。
勉強に集中したかったのかもしれないし、親から何か言われたのかもしれないし。
エースとしてのプレッシャーに疲れたのかもしれないし、体調面で何かトラブルがあったのかもしれないし。
心配にはなるけど、言わないってことはそっとしておいてほしいのかもって、大人になった今なら思います。
みんな揃って「理由を教えてもらってない!」って文句言ったり、「桐島がいたぞ!」って飛んでいったりしないですよね。笑
悪く言うと、みんな桐島くんに振り回されてるんですよね。
映画の中では、桐島くんが部活を辞めた理由が明かされないどころか、桐島くんは登場すらしません。笑
この映画は「登場人物1人1人」の視点から見た高校生活に焦点が当てられているので、”描く必要のない理由”ということなんだと思います。
東出昌大さんが演じていた”菊池ひろき”
私は、彼が陰の主役かなと思いました。
神木隆之介さんが演じていた”映画部”の子とは、対照的なキャラクターです。
※この先は分かりやすいので、役者さんの名前で書きます
神木さんは、映画部です。
彼女もいないし、クラスで人気者の女子からは馬鹿にされています。
それでも、映画が大好きなので、自分で脚本を書いて、こだわりのカメラで映画を撮っています。
東出さんは、野球部ですが幽霊部員です。
野球の実力はあるけど、部活には出ていません。
放課後は友達とバスケをして、桐島くんの部活が終わるのを待っています。
クラスで人気者の女の子と付き合っています。(でも別に好きじゃない)
東出さんが演じている役は、端から見れば完璧な高校生活を送っています。
野球もバスケも上手で、友達もいて、かっこ良くて、人気のある女の子と付き合っている。
でも、東出さんはあまり楽しそうに見えません。
外面だけ良く見せて、高校生活で熱中できるものは何も持っていないからだと思います。
それが、「桐島くんが部活を辞めた」ことをきっかけに浮き彫りになります。
東出さんは、”自分は充実した高校生活を送っていない”ということに最後に気付くことになります。
一方、神木さんは、ひたすら映画を撮り続けます。
まぁあれこれ邪魔されて、なかなか撮影が進まないんですけど。笑
自分の中に大事なものがあるから、周囲に惑わされることなく、充実した高校生活を送っているんだろうなと思います。
まとめ:自分の軸を持つことの大切さ
私は、この映画を見て「自分の世界を持つ」ことの大切さを改めて感じました。
高校生のときは「まわりからどう思われるか」「周りとうまくやらなくちゃ」という考えに縛られる人が多いように思います。
実際、この映画でいう神木くんみたいな人は少ないんじゃないでしょうか。笑
大人になった今、それが無駄だったとは思いません。
それこそが"高校生活"という感じで、私にとってこの映画は「なんか懐かしい。笑」という感じがしました。
でもそれと同時に、「東出くんより神木くんのほうが楽しそう!」という感想が残りました。
周りからどう思われるかよりも、自分が熱中できる何かにとことん打ち込めるほうが大切だなって今なら思います。
この映画は懐かしい気持ちにもなるし、前向きな気持ちにもなる。
そんな映画だと思いました。
ちなみにこの映画、現役高校生の方には不評という話も聞きました。
当たり前ですが「懐かしい」という気持ちにならないですよね。
あとやはり「意味が分からない」という状態になるそうです。笑
現役高校生の方にとったら、
・神木くん=暗い高校生活を送っている
・東出くん=イケメン&彼女あり
東出くんの高校生活のほうが良くない?という印象になるそうです。笑
このあたりは、人によって受け取り方がが違いますよね。
この映画は色々な人の感想を読むのも楽しそうだなと思いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!