【CW:ケースワーカー】生活保護課の家庭訪問について🌻【訪問先での面談の進め方】

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はじめて生活保護課のケースワーカーとして働く方に向けて、訪問調査の際の実体験についてまとめています。

訪問先ではどのように面談を進めれば良いのか、参考になれば幸いです。

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世帯別に確認することは変わる

訪問する世帯によって、確認すべきことは変わります。
以下に、世帯別に質問事項をまとめています。

 

訪問先では、このブログの目次を見ながら質問できるようにしているので、良ければ参考に使ってください。

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高齢世帯【体調と収入について確認】

高齢世帯は、基本的には就労指導は不要です。
とはいえ働いている方もいるので、「収入の有無」については必ず確認しておきましょう。

① 通院状況について確認

◎ 最近、体調はどうですか?
◎ 通っている病院は、ありますか?
◎ 月に何回、通院していますか?
◎ お薬は飲んでいますか?


【メモの例】
※聞き取った内容を、簡単にメモしておくと、後で面談記録を作成するときに役に立ちます。
簡単に例を載せているので、参考にしてください。


・ 足腰が痛いため、○○病院に通っている。
・ 月2回の定期通院
・ 毎食後に薬を飲んでいる。

 

② 日常の過ごし方について確認

◎ 日中は、買い物に行かれたりしますか?
◎ お食事は、いつもどうされていますか?


【メモの例】
・ 買い物は、週に2回
・ 基本的には、自炊している

 

③ 身内の方との交流について確認

◎ お身内の方との交流は、ありますか?
※ 身内の話は嫌がる方も多いため、不機嫌になられた場合は深追いしなくて大丈夫です。


交流がある方の場合は、「扶養届書」の提出について指導しましょう。
「定期的に会っている」と答えた方については、扶養届書を手渡して、ご自身でお身内の方に書いてもらうよう説明することが、1番トラブルがなくて良いと思います。

 

【メモの例】
・ 身内とは、年に1回合う程度。
・ 扶養届書を手渡し済み

 

④ 近所の方との交流について確認

◎ ご近所の方とは、たまにお話されたりしますか?


【メモの例】
・ 週に1回くらい、立ち話をしている。

 

⑤ 収入の有無について確認【仕送りに注意】

◎ 現在、お仕事はされていますか?
◎ 身内の方から、仕送りは貰っていませんか?
◎ 収入申告書の提出について指導


【注意点】
「少しでもお金を得た場合は、必ず申告してくださいね。
申告いただくと控除できる場合もありますし、たとえ少額であっても不正受給になってしまうと大変なことになってしまうので、気をつけてください。」
と、必ず最後に説明しておきましょう。


【メモの例】

・ 就労、仕送り、ともになし。
・ 収入申告について指導済み。

 

母子世帯【仕送りに注意】

次は、母子世帯です。
母子世帯の場合は、彼氏や子供の父親から仕送りを貰っている場合があるので、注意してください。

 

また、子供の虐待やネグレクトが発生していないかも目を光らせるようにしましょう。

 

① 体調・通院状況について確認

◎ 体調は、どうですか?
◎ 通院されている病院はありますか?

※ 主治医からドクターストップがかかっているなど、体調が著しく悪い場合を除いて、就労指導が必要になります。

 

【メモ】

・ 体調は、普通。
・ 〇〇治療のため、月に〇回、〇〇病院に定期通院している。
・ 就労に支障はない。

② 子どもの体調について確認

訪問時にお子さんが在宅していた場合は、お子さんにも直接話しかけるようにしましょう。
このとき、お子さんは生活保護を受給していることを知らない可能性があるので、注意してください。
”子育て関係の部署の人間”ということにして、お話をすると良いと思います。

◎ お子さんは、元気にしていますか?
◎ 最近は、どんなお話をされましたか?
◎ お休みの日は、どんな感じで過ごされていますか?
◎ ご飯は、どうされてますか?
◎ 学校は、毎日行かれていますか?
◎ 学校での様子はどうですか?

 

【メモ】
・ 子どもは通院なし。
・ 学校の友達と放課後に遊んでいる。
・ 休みの日は、自宅で過ごすことが多い。
・ ご飯は、週に3回は自炊している。
・ 学校は、毎日通っている。
・ 担任の先生から、学校では元気にしていると聞いている。

 

③ 就労状況 or 求職活動の状況について確認

◎ お仕事は、週に何回行っていますか?
◎ お仕事内容は、どうですか?
◎ 職場の人間関係は、どうですか?
◎ 求職活動はしていますか?

 

【メモ】
・ 仕事は週に3回。
・ 仕事内容は自分に合っているが、人間関係が悪い。
・ 求職活動はできていない。

 

④ 必要に応じて就労指導を行う

体調面に問題がなければ、増収による自立に向けて就労指導を行いましょう。
なかには働きたいけど、求職活動のやり方が分からない方もいらっしゃいます。

 

自治体で支援制度がある場合は、そちらについても詳しく説明を行いましょう。

⑤ 身内との交流について確認

特に「子どもの父親」について確認してください。

 

◎ お身内の方との交流は、ありますか?
◎ お子さんの父親とは、交流していますか?

※交流がある方の場合は、「扶養届書」を手渡しして提出を指導しましょう。

 

【メモの例】
・ 両親とは、定期的に会っている。
・ 子どもの父親とは、年に1回会う程度。扶養届書を手渡し済み

 

⑥ 収入・仕送りの有無について確認】

アルバイト収入以外にも、単発のアルバイト収入がないかどうかも確認してください。

また、子どもの父親や、彼氏、両親などから仕送りを受給している場合は、少額であっても申告しないと不正受給になります。
他の世帯と同じく、その旨もきちんと説明しておきましょう。

単身世帯【身内の確認について注意】

① 通院状況について確認

◎ 体調は、どうですか?
◎ 通院されている病院はありますか?

※ 主治医からドクターストップがかかっているなど、体調が著しく悪い場合を除いて、就労指導が必要になります。

 

② 就労状況 or 求職活動の状況について確認

◎ お仕事は、週に何回行っていますか?
◎ お仕事内容は、どうですか?
◎ 職場の人間関係は、どうですか?
◎ 求職活動はしていますか?

 

③ 必要に応じて就労指導を行う

体調面に問題がなければ、増収による自立に向けて就労指導を行いましょう。
自治体で支援制度がある場合は、そちらについても詳しく説明を行いましょう。

 

④ 身内との交流について確認

◎ お身内の方との交流は、ありますか?

身内の方の話は、嫌がる方も多いです。
しかし、単身世帯の方については、必ず1人は連絡先を把握するようにしましょう。
これは、その方に「何かあったときのため」です。

 

何かあったときに、連絡できる身内の方が1人もいないと、担当ケースワーカーはとても困ります。

交流している身内の方が1人もいない場合は、「扶養調査」について説明を行いましょう。
「金銭的な援助をしてください」と依頼する調査ではなくて、あくまでも「金銭的な援助は得ることができない」と確認することが必要、と説明すると理解を得られやすいと思います。

 

⑤ 収入の有無について確認

たとえ少額であったとしても、収入を得た場合は必ず申告するように指導しましょう。

 

収入申告を怠ると、課税調査で必ず判明します。
課税調査で判明した場合は、不正受給となってしまい大変なことになるので、その旨もきちんと説明しておきましょう。

 

不正受給を防止するための注意事項

ちなみに少し言いにくいですが、不正受給を防止することは、ご自身の仕事を増やさないという意味もあります。

 

就労収入による不正受給は、課税調査で必ず発覚します。
後々不正受給の事務処理をするのは大変です。

 

また「収入申告はしないで良いと思っていた」などと言われると大変です。
そのため、世帯類型にかかわらず、きちんと説明を行うようにしましょう。

 

そして訪問記録にて説明を行った場合は、「収入を得た場合は、必ず申告するよう指導を行った」旨を記録しておきましょう。

 

まとめ【訪問調査の最大の目的とは?】

他にも、障害をかかえた方がいらっしゃる世帯もあります。
特に精神的な疾患をかかえた方は、その方によって対応方法が変わってくると思うので、あえて記載していません。

 

また、世帯類型にかかわらず、その方の病状や、前回の訪問調査の記録を把握してから訪問調査を実施するのが良いと思います。
前回の面談結果を受けて、次に確認しなければいけない事項がある場合は、それも必ず確認するようにしておきましょう。

 

ただし、この記事は「1番無難な面談の進め方」について書いています。
しかし、実際はその場で色々なことを質問される場合もあります。
トラブルが発生することもあるかもしれません。

 

はじめてケースワーカーとして家庭訪問を行われる方は、「訪問調査のときには極力トラブルを起こさない」ということは、常に意識することをおすすめします。

 

訪問調査のときに質問されたことについては、その場で明確な回答を行うことは避けた方が良いです。
業務に精通するまでは「上司と相談の上で改めてご連絡します」と伝え、必ず持ち帰るようにしましょう。

 

また、訪問調査の最大の目的は「訪問すること」です。
(こんなこと書いて大丈夫かな...笑)
「その家に居住している」という基本的なことを確認することが、最大の目的です。

 

そのため現実的には、あまり気負う必要はありません。
もちろん事前に前回の記録などを全て頭に入れて、完璧に訪問調査ができるに越したことはありません。

 

しかし、自治体によってはケースワーカーってめちゃくちゃ忙しいです。
私のいた自治体は、120ケース以上を担当している人も何人もいたし、夜中まで残業することもとても多かったです。

 

「完璧」を目指していては、いくら時間があっても足りないのがケースワーカーという仕事だと思います。
効率的に仕事を進めるためには、優先事項を決めることが必要です。

 

訪問調査の最大の優先事項は、「訪問すること」です。
そのため、普段の業務に追われている方は「危険な人ではないか」だけを調べて、とりあえず訪問調査に行きましょう。

 

基本的には、この記事の事項を順番に確認すれば大丈夫です。
そして、個別に確認し損ねた事項があれば、後ほど電話で改めて確認すれば良いだけです。
訪問調査の際にも、「後で何かあればお電話で確認させてもらってよろしいですか?」と伝えておけば安心かと思います。

 

また、この記事で何度か書きましたが、
◎ 扶養調査の説明
◎ 不正受給の注意喚起
は、どの世帯に対しても大切な指導になります。

 

しかし、どの世帯でもトラブルになる可能性があります。
例えば、「身内は関係ない!」と怒り出す方や、「不正受給を疑っているのか!」と怒鳴り出す方など。

 

トラブルになりそうだと判断した事項は、訪問調査の際に説明するのは辞めておきましょう。
危険ですから。笑

 

後日電話で説明するか、次窓口に来られたときに「みなさんに説明させていただいているので」とお伝えしてから説明するのが良いと思います。

 

ケースワーカーの仕事は忙しくて、大変だと思います。
特に初めてケースワーカー業務の担当になった方は、家庭訪問はハードルが高く感じるかもしれません。

 

でも、最大の目的は訪問することです。
あまり気負うことなく続けているうちに、嫌でも慣れてくると思います。

 

ご自身の体調とメンタルを大事にして、頑張りすぎないようにしてください。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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